BSC (バイナンススマートチェーン)ってバイナンスと何か関係があるの?
BSC(バイナンススマートチェーン)ってどんな特徴があるの?始め方は?
BSC(バイナンススマートチェーン)とは大手海外取引所であるBinance(バイナンス)が提供している独自のブロックチェーンです。
ブロックチェーンにはイーサリアム・ソラチナ・アバランチなどがありますが、BSCは2021年上半期に登場後多くのユーザーを獲得し大注目されています。
この記事では、バイナンススマートチェーンでの特徴と始め方について徹底解説していきます。
- BSCはバイナンスが提供している独自のブロックチェーン
- PoSAを採用することで、処理速度の向上と利便性が向上
- 独立したブロックチェーンで他よりも手数料が安く、イーサリアムとの互換性を持つ
- 有名なDeFiプロジェクトやBSC上で展開されている
- BSCを始めるには海外仮想通貨取引所でのアカウント作成が必要
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目次
BSC(バイナンススマートチェーン)とは
BSC(バイナンススマートチェーンと)は大手海外取引所であるBinance(バイナンス)が提供している独自のブロックチェーンです。
もともとはブロックチェーンとして柔軟性に課題があったバイナンスチェーンを補助することを目的に作られましたが、現在ではBSCがメインとなっています。
BSCは既存のバイナンスチェーンと互換性をもつようにつくられており、ユーザーは2つのチェーンの間を特別な制約なく仮想通貨を移動が可能となっています。
また、BSCは独立したブロックチェーンであり、バイナンスチェーンがオフライン状態になったとしても稼働することができます。
BSC(バイナンススマートチェーン)の特徴
BSCの特徴は以下のとおりです。
- 手数料が安い
- PoSAを採用し処理速度と利便性が向上
- イーサリアムとの互換性
手数料が安い
BSCは独立しているブロックチェーンのため、ほかに比べて手数料(ガス代)が安いことが特徴です。
イーサリアムのブロックチェーンでは利用者の増加に伴い処理速度が遅くなったり、手数料が高騰するなどの問題が発生しています。
この問題は利用者のサービス面における利便性の低下につながり、新規利用者の獲得もしにくい状況となっています。
イーサリアムのガス代では「wei」とよばれる単位が用いられます。
1wei×10の10乗が1ETHとなっており、「wei」自体がとても小さい単位であるため「gwei(Giga-wei)=10億wei」という単位が一般的に用いられます。
BSCの手数料は平均5Gweiとなっていますが、イーサリアムの手数料は平均30Gweiであり比較してもBSCのほうが圧倒的に手数料が安く取引可能です。
PoSAを採用し処理速度と利便性が向上
BSCではPoA(Proof-of-Authority)とDPoS(Delegated-Proof-of-Stake)の両方を組み合わせたPoSA(Proof-of-staked-Authority)を採用しており、処理速度と利便性が向上しています。
PoAとはマイニングを必要とせず中央集権的な管理者が参加者を管理し、信頼された参加者のみがブロックの作成者・承認者を決めるを形成できるブロックチェーンの承認ルールです。
DPoSとは仮想通貨の保有者に対して保有量や保有期間に応じた投票権を割り当て、投票によって選ばれた人が承認者となります。
このコンセンサスモデルの導入によりBSCは約3秒のブロックタイムや安い手数料を実現可能となりました。
PoSAではBNB保有者の中からバリデーター(ブロックの作成・承認者)が選出され、バリデーターはブロックを承認することで手数料を得られます。
イーサリアムとの互換性
BSCはEVM(Ethereum Virtual Machine)との互換性がありイーサリアムの豊富なプロジェクトをBSCに移行できます。
EVMとはイーサリアム仮想マシンと訳します。
EVMはスマートコントラクトで記載された内容をコンピュータが理解できるように翻訳をする機能でありイーサリアムブロックチェーンにおける重要な要素です。
BSCがイーサリアムとの互換性があることにより、利用者側は取引スピードの向上や手数料の軽減といったメリットがあります。
そのため今後も利用者は伸び続け将来的には大手プラットフォームがBSCに移行することも十分に考えられます。
BSC(バイナンススマートチェーン)のプロジェクト
BSCのプロジェクトには以下のものがあります。
- Pancake Swap
- Venus
- Pancake bunny
- STEPN
- MoBox
Pancake Swap
Pancake SwapはBSC上でもっとも人気のある分散型取引所(DEX)です。
管理者が不在であっても仮想通貨取引を実現させる自動マーケットメーカー(AMM)を採用しており、複数のサーバーでの分散管理によって取引ができる仕組みとなっています。
AMMにより資産を預ける(ステーキング)ことで報酬であるCAKE(仮想通貨)を得ることができます。
Pancake Swap上での取引のすべてはスマートコントラクトを仲介することで自動的に行われ、カウンターパーティーリスクがないことがメリットです。
Venus
Venus(Venus Protocol)はバイナンスが開発・提供しており、ユーザー同士での仮想通貨取引が可能なプラットフォームです。
Venusでは「XVS」とよばれる独自トークンを使用しています。
仮想通貨の貸し借りによってXVSが獲得できるだけでなく、独自のステーブルコインである「VAI」が発行可能です。
これまでのDeFiでは独自のステーブルコインの発行ができる機能はないものが多く、Venusではほかと少し異なる方法で資産形成を行うことができます。
預けた仮想通貨を担保として最大60%まで仮想通貨を借りられるため、利益を最大化できます。
Pancake bunny
Pancake bunnyはイールドアグリゲーターのひとつです。
イールドアグリゲーターとは仮想通貨やLPトークンを預けるにあたってもっともよい条件で自動的に運用してくれます。
Pancake Swapで得られた「CAKE」をPancake bunnyで運用することで自動で最適な方法で操作してくれます。
いわばDeFiの投資信託と考えてよいでしょう。
利回りもPancake Swapで運用するよりも高いため、より多くの利益を期待できます。
さらに仮想通貨を専用のプールに預けることで「BUNNY」という独自トークンが獲得できます。
BUNNYは預けることで定期預金のように増やせたり、仮想通貨の交換にも利用可能です。
STEPN
STEPNは「Move to Earn」という概念を生み出した、運動することで仮想通貨が稼げるゲームです。
NFTスニーカーを事前購入し、歩いたり走ったりすることで「GST」という独自トークンを獲得できます。
GSTは換金できるだけでなく、スニーカーの修理やレベルアップにも使えます。
GSTを稼ぐためにはスニーカー選びが重要となっています。
- スニーカーの体力を維持する
- スニーカーをレベルアップさせる
- レアリティの高いスニーカーを選ぶ
- スニーカーを売却する
STEPNはソラナ(solana)という仮想通貨のブロックチェーン上でこれまで運用されてきましたが、2022年4月よりBSCでのサービスも始まっています。
MoBox
MoBox(モボックス)はNFTゲームの中でも高い魅力を持ったタイトルで、ゲームすることで稼げる「GameFi」とよばれるものの一種です。
MoBOXではゲームすることで仮想通貨を稼げるだけでなく、DeFiの要素も備えており稼いだ仮想通貨を増やせることができるのが特徴です。
また、独自のNFTである「MOMO」を使った取引も可能となっており、MOMOはゲームの中で戦わせたりマーケットプレイスでの売買もできます。レアリティの高いMOMOは高額で取引され、DeFiで預けて利益を得られます。
BSC(バイナンススマートチェーン)関連銘柄
BSCの関連銘柄で代表的なものは以下があります。
- UNI
- CAKE
- AAVE
UNI
UNIはUniswap(ユニスワップ)が発行するガバナンストークンです。
ユニスワップはイーサリアムブロックチェーン上の、分散型取引所(DEX)とよばれる非中央集権的な仮想通貨取引所です。
ユニスワップのDEX取引量は世界1位となっており、流動性が高く取引がスムーズに行えることが特徴です。
UNIは仮想通貨の中でも人気が高い銘柄として知られており、時価総額ランキング15位の大型銘柄となっています。
DeFi分野の今後の盛り上がりでさらに注目をあつめる仮想通貨銘柄となる可能性は高いです。
CAKE
CAKEはPancake Swapが発行する仮想通貨です。
Pancake Swapについては前述のとおりですが、DEX全体だとユニスワップに次ぐ世界第二位の取引量を誇っており新機能も次々と実装されるなど注目をあつめています。
Pancake Swap自体もBNBチェーンでもっとも実績があり、今後も開発が続く予定があるためCAKEは将来性のある仮想通貨銘柄といえます。
AAVE
Aave(アーベ)とは仮想通貨の貸し借りを行えるレンディング・プラットフォームです。
Aaveは独自のガバナンストークンであるAAVEを発行しています。
Aaveはイーサリアムブロックチェーンのレンディングにおけるプラットフォームで2位の預かり資産を誇ります。
またAaveはDeFiではじめて信用委任システムを導入しており、DeFiブーム当初から注目をあつめていました。
今後のDeFi市場の拡大により、ますます期待が高まる仮想通貨銘柄です。
BSC(バイナンススマートチェーン)の今後・予想
BSCの今後は以下のポイントが注目されると予想されます。
- BSCを提供するバイナンスの評価
- さまざまなプロジェクトにてBSCを活用
BSCを提供するバイナンスの評価
BSCはバイナンスによって提供されているため、バイナンスの評価がダイレクトに影響します。
したがってバイナンスの動向がBSCの今後を左右する、といっても過言ではないといえます。
近年、バイナンスは以下の点で注目されてきました。
- イーロン・マスク氏のTwitter買収に5億ドル(約730億円)出資
- BSCへのハッキングで1.1憶ドル(約162億円)の被害
- DeFiに注力し、1000億円規模のBSCファンドを組成
バイナンスは暗号資産とブロックチェーン技術の使用と普及を拡大するため、広い分野で活躍しています。
10月7日に起こったクロスチェーンブリッジへのハッキング事件も、情報共有と対応の早さからユーザーからの信頼を勝ち取っています。
CEOのChangpeng Zhao氏によると、すでに犯人によって引き出された資産の80~90%は凍結されている、とのことです。
今後もバイナンスの評価が向上することでBSCの利用者はさらに増えていくことになるでしょう。
さまざまなプロジェクトにてBSCを活用
今後もさまざまなプロジェクトで、BSCを活用する機会はさらに増えてくるといえます。
現在は仮想通貨やNFTが普及することでDeFiやNFTゲームなどが次々と開発されており、BSC上でのプロジェクト誕生も期待されています。
またイーサリアムとの互換性を活かして、BSC以外でのブロックチェーンで発表されたプロジェクトも利用可能です。
処理速度や手数料でも他のブロックチェーンに比べて優位性があるため、今後多くのプラットフォーム開発をBSC上で行なう可能性は高いといえます。
BSC(バイナンススマートチェーン)の始め方・設定方法
BSCを始めるには、以下の流れに沿って設定していきましょう。
BSCを始めるには、まずは国内取引所で口座開設をおこないます。
コインチェックはアプリが使いやすく入金も幅広く対応しているため、初心者にもおすすめです。
BSCを利用するにあたりバイナンスでBNBを購入する必要があります。
コインチェックで購入した仮想通貨はBNBを購入する際、送金手数料として使用します。
イーサリアムを購入したらバイナンスで口座開設をします。
バイナンスへの登録が完了したらコインチェックから仮想通貨を送金します。
BSCのプラットフォームを使用するにはメタマスクが必要です。
メタマスクはGoogleChrome推奨となっているため、ブラウザからインストールしてアカウントを作成します。
バイナンスで購入したBNBをメタマスクに送金します。
送金にはメタマスクのアドレスを参照し、送金します。
この時に送金アドレスを間違えてしまうと資金が消失する恐れがあるため注意してください。
メタマスクのネットワーク接続がBSCに切り替わり、メタマスクウォレットに仮想通貨が入金されたら完了です。
好きなアプリケーションのトップ画面からウォレットに接続すれば、BSC上でアプリケーションを利用できます。
BSC(バイナンススマートチェーン)の注意点
BSCを利用する際は以下の点に注意してください。
- 資産や秘密鍵を自己管理が必要
- 中央集権的に運営されている
資産や秘密鍵を自己管理が必要
BSCを利用する際はメタマスクといったウェブウォレットで資産管理をおこないますが、自己管理が必要です。
オンライン接続しているウォレットはホットウォレットとよばれ、ハッキングリスクに警戒が必要です。
メタマスクなどのメジャーなウォレットでハッキングが頻繁に起こることはありませんが、大金を管理する場合ある程度のリスクがあることを理解しておきましょう。
中央集権的に運営されている
BSCはバイナンスにより中央集権的に管理・運営されています。
イーサーリアムブロックチェーンなどでは管理者が不在でユーザーそれぞれが意思決定に参加できます。
BSCはバイナンスが提供しており、バイナンスにより管理されているため権限が集中しています。
BSCのサービスで資金を預けることはバイナンスに預けることと同じとなり、バイナンスに何か問題があった場合は自分の資産に影響があるかもしれません。
「BSC(バイナンススマートチェーン)始め方・特徴」まとめ
BSCの始め方や特徴を解説してきました。
BSCには以下のような特徴があります。
- BSCはバイナンスが提供している独自のブロックチェーン
- PoSAを採用することで、処理速度の向上と利便性が向上
- 独立したブロックチェーンで他よりも手数料が安く、イーサリアムとの互換性を持つ
- 有名なDeFiプロジェクトやBSC上で展開されている
- BSCを始めるには海外仮想通貨取引所でのアカウント作成が必要
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PoSAの採用で処理速度と利便性が向上し、イーサリアムの互換性もあることから今後もBSCには期待が集まっています。
BSC上でのプロジェクトも次々と生まれており、DeFiやNFTゲームの参入も加速すればBSCがイーサリアムブロックチェーンと並ぶかもしれません。
BSCを始めるにはまずは海外取引所でのアカウント作成から始めてみてはいかがでしょうか。
大学卒業後に米国株取引を始める。FX、先物、CFDを経験し、2017年のビットコインの高騰を見て仮想通貨取引に参入。主に仮想通貨FXで大きな収益を得ている。長年の経験から投資・金融に関する情報を発信。現在は、Fact of Moneyの運営責任者として記事の執筆・検収を行う。