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9月号|仮想通貨マンスリーレポート

仮想通貨マーケットガイド

執筆者紹介

プロフィール

証券アナリスト・中島 翔

学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。

その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。

その後は、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。

さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。

仮想通貨トレードに関しても、仮想通貨取引所コインチェックにて、トレーディング業務に従事した経験を持ち、金融業界に精通して幅広い知識を持つ。 金融業界に精通して幅広い知識を持つ。

【保有資格】証券アナリスト

9月の仮想通貨市場の流れを解説

9月の仮想通貨市場

9月の仮想通貨市場は、イーサリアムの大型アップデート「マージ(The Merge)」の実装が完了したものの、イーサリアムが大きく下落する動きとなったほか、仮想通貨市場全体でも上値が重い展開が継続する結果となった。

さて、ここからは9月の仮想通貨市場を週ごとに振り返ってみよう。

9月第1週の仮想通貨市場

9月の第1週は、仮想通貨市場全体の取引高が下落方向となった一方で、マージの実行を前にイーサリアムクラシックが急騰する展開となった。

月初めは特に大きな値動きもなく、ビットコインは20,000ドル、イーサリアムも1,500ドル台での推移が継続。

しかしその後ビットコインは一時20,000ドルを割れる水準まで落ちてきており、なかなか方向感が出ない状態が継続する結果となった。

また、仮想通貨市場の取引高も減少傾向となっており、仮想通貨市場への投資をする投資家が減少している様子があらわになった。

これについては、過去5年間連続、ビットコインの9月のパフォーマンスが最悪であったというアノマリーがあることも関係していると考えられる。

しかし、その一方で、マージが間もなく実行されるタイミングで唯一、イーサリアムクラシックが急騰を見せ、イーサリアムクラシックのハッシュレートも大きく上昇する結果となった。

なお、マージの第一段階である「ベラトリックス(Bellatrix)」が日本時間の9月6日に成功したという知らせがあり、これを受けてイーサリアムが一時上昇する動きを見せたが、ニューヨーク時間のビットコイン下落に連れ安となり、上げ幅を失う展開となった。

さらに、イーサリアムクラシックも一時41ドルあたりまで上昇したものの、その後34ドルあたりまで一気に急落するなど、上下に激しい動きを見せた。

9月第2週の仮想通貨市場

9月の第2週は、ビットコインが株安に連られて大幅な下落を見せ、イーサリアムも1,500ドル台後半まで下落する結果となった。

週初めは仮想通貨市場が全体的に反発する動きを見せ、株式市場が反発する中でビットコインも連れ高となった。

その後は総じて横ばいの展開となり、ビットコインは19,000ドルあたりで推移したほか、イーサリアムもマージの実行に対する期待から上昇し、その後の調整安から再度1,600ドル台を回復する結果となった。

その後、ビットコインは21,000ドル台後半まで上昇する展開となったが、株価が下落したことに伴い大幅な下落を見せ、ビットコインが株式市場の動向に影響を受けやすいことが改めて浮き彫りとなった。

なお、イーサリアムも1,500ドル台後半まで下落する展開となったが、ビットコインと比べるとより強い地合いとなっており、マージに対して慎重な投資家が多いと推測できる結果となった。

9月第3週の仮想通貨市場

9月の第3週は、イーサリアムの大型アップグレードであるマージが実装を完了したが、FOMCを控えた警戒感から、その後イーサリアムの価格が急落する展開となった。

なお、マージを間もなくに控えた段階で、イーサリアムやイーサリアムクラシックは触りにくい展開が続き、イーサリアムのハッシュレートが大幅に低下する結果となった。

このほか、これまで急騰していたルナの創業者に逮捕状が出されたことにより、大幅な下落を見せた。

ビットコインは一時18,000ドル台前半まで下押し、その後19,000ドル台後半まで持ち直したものの、再び18,000ドル台後半まで下落する展開となった。

ビットコインの年初来安値は17,000ドル台後半となっており、一度はここを目指すようなチャートになりつつあったが、9月20日、21日の「米連邦準備制度理事会(FRB)」による「米連邦公開市場委員会(FOMC)」の開催を受け、様子見の状態となった。

一方、リップルが大幅な上昇を見せる展開となり、「米証券取引委員会(SEC)」との裁判において略式判決の申し立てを提出したことが要因となったと考えられる。

なお、イーサリアムの大型アップグレードであるマージが9月15日に実装を完了したが、投資家の利益確定の動きなどを受け、イーサリアムが大幅に下落する展開となった。

9月第4週の仮想通貨市場

9月の第4週は、仮想通貨市場全体を通してあまり動きが見られない週となった。

週初めは9月20日、21日に開催されたFOMCによる株安を受けてビットコインも下落する展開となり、一時19,000ドル台後半まで上昇したものの、その後は18,000ドル台後半まで下落する形となった。

なお、前述の通りこの週は仮想通貨市場全体で大きな動きがほとんどなかったが、その中でもルナが20%以上という上昇を見せた。

その後、仮想通貨市場は総じて下落する展開となり、ビットコインは一時20,0000ドル台まで回復したが、NY時間の株式市場の下落に伴って連れ安となった。

また、NY時間の株式市場が上昇したタイミングでも、ビットコインの上昇幅は限定的となっており、19,000ドル台での推移が継続する結果となった。

注目すべきニュースとしては、ロシアが仮想通貨取引関連の法案を作成しているというニュースがあったこと、バイナンスが日本市場への参入を再検討しているという報道が出たことなどが挙げられる。

なお、バイナンスが日本に参入した場合は、残念ながら日本人ユーザーの利用が制限され、現在バイナンスで利用中のサービスがほとんど利用できなくなる可能性がある。

もしそうなった場合、「bybit」や「OKEX」などといった大手の「中央集権型取引所(CEX)」に資金が移動するだろうと見られている。

市場の動向をチャートでチェック

BTCUSDチャート

btcusdチャート

次にビットコイン(BTC/USD)のチャートをチェックしたい。

9月初に20,148.37ドルでスタートしたビットコインは、その後20,000ドルを割れる水準で推移し、方向感が出ない状態が継続する形となった。

前述の通り、ビットコインは9月のアノマリーとして、パフォーマンスが毎年、最悪な月となっているため、ビットコインを下方向で見ている投資家も多いと考えられる。

その後ビットコインは21,000ドル台後半まで上昇したが、株安に連れて20,000ドル台前半という大幅な下落を見せた。

その後はさらに18,000ドル台後半まで下落し、FOMCでの株安を受けて一時19,000ドル台後半まで回復したものの、一転18,000ドル台後半まで下落する展開となった。

月末にはNY時間の株式市場の下落に連れて、ビットコインも下落する動きを見せ、引き続き19,000ドル台で推移する結果となった。

ETHUSDチャート

ethusdチャート

次にイーサリアム(ETH/USD)のチャートをチェックしたい。

9月初に 1,560.86ドルでスタートしたイーサリアムは、その後マージの第一段階であるベラトリックスの成功を受けて一時上昇したが、NY時間のビットコインの下落に連られて上げ幅を失う展開となった。

その後、1,500ドル台後半まで下落したが、ビットコインよりは強い地合いとなった。

なお、マージの行方を慎重視する動きが顕著に現れており、ファンディングレートが異常なマイナス圏となった。

その後、15日に待望のマージ実装完了の報道があったが、その後イーサリアムは大幅な下落を見せた。

その価格は一時1,650ドルまで上昇したものの、ハードフォークした新通貨「ETHW」のプレミアム分が剥離して急落、16日の9時頃には1,450ドルを下回る動きとなった。

この下落の背景には、投資家の利確の動きのほか、先物市場において過去24時間で1億5000万ドルものイーサリアムがロスカットされたことなどがあると見られる。

なお、ETHWについてはネットワークにアクセスできないなどの苦情が殺到し、価格が過去24時間で大きく下落する展開となった。

仮想通貨市場は、今後も引き続きリスクアセットとしてアメリカの金融政策に大きく影響される展開となるだろう。

また、ロシアの核攻撃問題との不安材料も出始めているなど、ニュースには敏感に反応していきそうである。

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記事執筆者
執筆者足立海
大学卒業後に米国株取引を始める。FX、先物、CFDを経験し、2017年のビットコインの高騰を見て仮想通貨取引に参入。主に仮想通貨FXで大きな収益を得ている。長年の経験から投資・金融に関する情報を発信。現在は、Fact of Moneyの運営責任者として記事の執筆・検収を行う。