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6月号|仮想通貨マンスリーレポート

仮想通貨マーケットガイド

執筆者紹介

プロフィール

証券アナリスト・中島 翔

学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。

その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。

その後は、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。

さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。

仮想通貨トレードに関しても、仮想通貨取引所コインチェックにて、トレーディング業務に従事した経験を持ち、金融業界に精通して幅広い知識を持つ。 金融業界に精通して幅広い知識を持つ。

【保有資格】証券アナリスト

6月の仮想通貨市場の流れを解説

6月の仮想通貨市場

6月の仮想通貨市場は、恐れていた事が実現したとも言える月となった。

インフレ率の上昇でアメリカの政策金利が0.75%の引き上げとなる観測が高まり、リスクアセットからの資産逃避という悪い地合いの中で、レンディング大手であるセルシウスが出金停止を発表したことより仮想通貨への不安が高まりビットコインやアルトコインが大きく下落する形となった。

では、ここからはファンダメンタルズを中心に6月の仮想通貨市場を週ごとに振り返ってみる。

6月第1週の仮想通貨市場

6月の第1週は、EUの物価指数「HICP」が過去最高となる前年同月比+8.1%の伸びを記録し、ECBがインフレ対策として利上げを行うとの観測から、ユーロ円が128円台を突破する動きを見せた。

原油に関しても、EUがロシア産原油を90%禁輸するとの報道により上昇基調が継続しており、一時は120ドルを突破する展開となった。

また、アメリカの「ISM製造業景況感指数」は53.0と発表され、前月の56.1から低下、20年6月以来の低水準となったことを受け、さらなるインフレ懸念から、強い利上げ観測への警戒が高まり株安の展開となった。

一方で、株安が進む中でも金利は上がっており、米ドルが大きく上昇したことによりドル円は132円台手前まで上昇する形となった。

その頃、日本では日銀黒田総裁が会見において値上げを家計は許容しており、金融緩和は継続するという、緩和維持のスタンスを明らかにしたことによって日本円の売り圧力がより一層高まる結果となった。

6月第2週の仮想通貨市場

6月の第2週は、仮想通貨市場において米SECがBNBを調査するという報道からビットコインを中心として価格が急落する形となったが、その後は急反発を見せて31,000ドル台まで回復した。

このほか、9日に行われたECB理事会において、7月より0.25%の利上げを行う方針が発表された。

ラガルド総裁は、インフレの動向次第では利上げのスピードをさらに速めることを明らかにしており、ユーロ圏におけるインフレ状況によってはユーロ高にさらに振れる可能性が濃厚となっている。

米国市場はCPIの発表を控えて株式市場が大きく反落した。

ドル円は一時133円台前半まで下落する動きを見せたが、その後押し目買いのニーズによって134円台半ばまで反発する展開となった。

6月第3週の仮想通貨市場

6月の第3週は、注目のFOMCにおいて予想通り0.75%の利上げとなり、米国株は短期的な買い戻しから上昇傾向を見せたが、米国債金利は低下し、ドル円は133円台後半へと下落した。

特に注目されたFOMC後のパウエル議長の会見においては、0.75%の利上げ幅が通例ではないことが挙げられており、0.75%の利上げが今後も継続するわけではないとの見解から株の反発が見られたと考えられる。

仮想通貨市場については、13日のセルシウスショックを受けた価格の急落が継続した格好となり、ビットコインは一時20,000ドル台まで、アルトコインに関しても引き続き下落傾向が見られた。

米国株式市場についても前日のFOMC後の反発は続かず大きく下落し、NYダウは3万ドル割れ、NASDAQも4%という大幅な下落を記録し、株安に歯止めがかからない状況となった。

6月第4週の仮想通貨市場

6月の第4週は、米国債金利の上昇に伴ってドル円が再度136円台となった後、株価が下落、金利については10年金利が3.26%から3.17%付近まで低下したが、円売り圧力を理由に底堅い推移を見せ、136円台を維持する格好となった。

急激な勢いで進行している円安については、日銀の日本国債の保有量が総額の50%を突破したことが明らかになっており、中央銀行による国債の大量保有は市場環境を歪める結果となりうるため、注意が必要だ。

また、イギリスでは注目されていたCPIが発表され、前年同月比9.1%の上昇という伸びを見せており、イギリスポンドが一時下落する結果となった。

仮想通貨市場については、CoinSharesのデータから、先週時点で4億2,300万ドルもの資金が流出したことが明らかになっており、過去最大の流出量を記録した。

NY株式市場は、寄り付きは上昇する形でのスタートとなったが、注目されていた米消費者信頼感指数は1年4ヶ月振りとなる大幅な悪化を記録し、相場が一気に崩れる格好となった。

市場の動向をチャートでチェック

BTCUSDチャートをチェック

チャート

次にビットコイン(BTC/USD)のチャートをチェックしたい。

月初に31,000ドル台後半でスタートしたビットコインは、株式市場に連動する形で一時30,000ドルを割る展開となったが、その後株式市場の反発に伴い30,000ドル台まで回復した。

なお、ビットコインについて、アルゼンチンでビットコインの保有者が増加してるという報道があり、アルゼンチンペソが対米ドルで大幅な下落を見せていることから、インフレヘッジを目的としてビットコインを保有する動きが出ている状況となった。

また、アメリカにおいてビットコインの200ドル程度までの利用について非課税にするという動きが出始めており、投資家からの注目が集まっている。

14日にはレンディング大手であるセルシウスが出金停止を発表したことよって仮想通貨市場全体が大混乱となり、ビットコインは22,000ドル付近まで暴落する格好となった。

その後は株式市場に連動する形で30,000ドル付近を推移していたが、再度大きな下落を見せ、一時18,000ドル割れまで到達、最高値から70%以上の下落となった。

しかし、Uniswapが秋ごろからNFT取引を開始するという報道があり、ビットコインは21,000ドル台後半まで上昇したが、上値は重い展開が継続する展開を見せた。

また、米消費者信頼感指数が1年4ヶ月振りに大きく悪化し、株式市場が一気に崩れたことを受け、ビットコインも20,000ドル付近まで下落、その後は20,000ドルを挟んだ展開が継続することとなった。

ETHUSDチャートをチェック

チャート

続いて、イーサリアム(ETH/USD)のチャートをチェックしたい。

イーサリアムは月初、株式市場に連動する形で一時1,700ドル台半ばまで下落する格好となった。

その後、仮想通貨市場を揺るがせたセルシウスの出金停止発表によって、イーサリアムも一時は1,000ドルを割れるかというところまで下落したが、その後は株式市場の反発を受けて1,200ドル台まで回復する格好となった。

しかし、その後再び株式市場に連れ安の形となり、再度1,000ドル台まで低下する格好となった。

なお、「イーサリアム2.0」と呼ばれる大型アップデートは引き続き進められており、21日にはテストネットである「Kiln(キルン)」、「Ropsten(ロップステン)」、「Rinkeby(リンケビュー)」が「マージ(The Merge)」へのアップデート後に廃止されることが発表されている。

また、6月末にはマージに向けたアップグレードとして「Gray Glacier(グレイグレーシャー)」が実施された。

7月もアメリカの政策金利が金融市場全体の流れを左右する重要なファクターとなるが、それを左右する重要指標がインフレ率だ。

また、雇用の強さも重要な要素となってくるため、雇用統計や失業率なども注意して、市場の方向性を見極めたいところとなっている。

インフレが高止まりするような状況になった場合は株安から仮想通貨にも下押し圧力がかかりやすいという点がポイントであり、今後のビットコインの価格を占う上ではマクロ経済が大きな方向性を決定する要因になるだろう。

引き続き方向感のない地合いが継続する可能性が高いと感じるため、高いレバレッジの利用せずに仮想通貨トレードは慎重なスタンスで臨みたいところだ。

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記事執筆者
執筆者足立海
大学卒業後に米国株取引を始める。FX、先物、CFDを経験し、2017年のビットコインの高騰を見て仮想通貨取引に参入。主に仮想通貨FXで大きな収益を得ている。長年の経験から投資・金融に関する情報を発信。現在は、Fact of Moneyの運営責任者として記事の執筆・検収を行う。