自動車保険における高速道路上での事故対応は?過失割合をケース別に徹底解説

高速道路事故対応フロー

記事監修者紹介
ファイナンシャルプランナー髙橋洋子髙橋 陽子
日本生命保険相互会社にて3年半以上勤務し、年間100組以上のコンサルティングを行う。
その後、2019年4月より当メディアにて保険をはじめとする金融記事の監修を務める。

高速道路での歩行者との事故の過失割合

高速道路での歩行者と車の事故の過失割合

高速道路で歩行者を車がはねてしまう事故が起こることがあります。この事故の場合の過失割合について考えます。なお、このタイプの事故には、被害者である歩行者の状況に応じて、3類型があります。

その3類型の第1は、侵入が禁止されている高速道路上(自動車専用道路を含む)に侵入してきた歩行者と車の事故の場合です。この事故の過失割合は、歩行者20%車80%です。一般道では、同様の事故の場合、歩行者の過失割合はそれほど高くはならないのでが、高速道路上での事故の場合、その過失割合は非常に高くなります。

その3類型の第2は、事故車やガス欠、エンジントラブルなどの故障車の搭乗者で、高速道路上を歩行中の歩行者と車の事故の過失割合です。この事故の過失割合は、歩行者50%車50%です。なお、この割合となるには、歩行者が、非常措置をとる目的で、駐停車中の車をある程度離れる場合という条件が付きます。

その3類型の第3は、高速道路上の工事や清掃、事故の実況見分などの目的で、高速道路上で作業中の歩行者と車の事故の過失割合です。この事故の過失割合は、歩行者30%車70%です。この場合の過失割合は、ほかの類型に比べて、事故を起こした車側の過失割合が高くなるのが特徴です。

高速道路内での歩行は非常に危険です。

高速道路は、車両が高速で走行しているため、歩行者にとっては大変危険な場所です。特に、乗っていた車両の事故や故障により、やむを得ず高速道路内を歩行することもあるかもしれません。その場合には、重大な危険が伴いますから、細心の注意を払わなくてはなりません。

高速道路での落下物が原因の事故の過失割合

高速道路での落下物が原因の事故の過失割合について

高速道路で、先行する車から落下物があり、それが原因で後続する車が道路側壁に激突したり、後続バイクが転倒するというような事故がよく起こります。このような事故の過失割合について考えてみます。

このタイプの事故には、大きく分けて2類型が存在します。その第1は、先行車両からの落下物が原因で事故を起こした後続車両が車である場合です。その第2は、先行車両からの落下物が原因で事故を起こした後続車両がバイクである場合です。

この第1の場合、すなわち、先行車両からの落下物により事故を起こした後続車両が車である場合の事故の過失割合は、先行車両60%後続車40%となります。後続する車は無過失であるようにも思えますが、それでも40%も過失割合を負担します。

第2の場合、すなわち、先行車両からの落下物により事故を起こした後続車両がバイクである場合の事故の過失割合は、先行車両70%後続バイク30%となります。後続車両がバイクである場合、後続車両が車である場合よりも過失割合が低いのは、落下物を避けるのが困難なバイクの特性が考慮されています。

修正要素の考慮について

なお、最終的な過失割合は、上で述べた基本となる過失割合に、修正要素を考慮して定まります。まず、先行車両の過失割合の加算要素としては、夜間、交通量が多かったなどの場合あります。また、後続車両の過失割合の加算要素としては、著しい過失または重過失があります。

先行車両側の加算要素の夜間や、事故当時交通量が多かった場合については、事故が起こりやすい状況で、落下物を落として危険を増大させたことの責任を問われ、先行車両の過失割合が増大します。

また、後続車両の過失割合の加算要素に、後続車両に著しい過失または重過失がある場合が挙げられます。著しい過失とは、携帯電話を使用しながらの運転、時速20km以上40km未満の速度制限超過、などがあります。重過失とは、無免許運転、酒酔い運転、居眠り運転などがあった場合です。

このような要素が後続車両にあった場合には、後続車両の過失割合が5%~20%増大します。後続車両に関しては、これらの違反行為がなければ事故を避けられたかもしれないにもかかわらず、事故を起こしたしまった責任が問われます。

高速道路にて路肩の駐停車車両への追突事故の過失割合

高速道路にて路肩駐停車中の車両への追突事故の過失割合

路肩に駐停車中の車両に、後続車両が追突した場合の交通事故の過失割合について考えています。この路肩に駐停車中の車両に、後続する車両が追突した場合の事故の過失割合は、原則として、駐停車中の車両0%後続車両(追突した車両)100%です。

なお、この事故の基本となる過失割合は、駐停車中の車両が車かバイクか、また、後続車で追突した車両が車かバイク等といった車種にかかわらず、同じです。どちらの場合も後続車両が過失割合の100%を負担します。ただし、この過失割合となるのは、駐停車車両がやむを得ない事情により、駐停車しているという条件が付きます。

修正要素について

なお、最終的な過失割合は、この基本となる過失割合に、修正要素を考慮して定まります。この修正要素のうち、駐停車中の車両の過失割合の加算要素として、夜間、警告なし、正当な理由のない駐停車、などがあります。

また、修正要素のうちには、反対の、停車中の車両の過失割合に対する減算要素というものがありますが、これについては、過失割合が0%であれば、原則として、減算ということはありえないので、ここでは割愛します。

駐停車中の車両側の加算要素の夜間とは、事故発生が先行車の発見が困難な夜間に起こった場合です。また、警告なしとは、駐停車中の車両が、ハザードランプを点灯するなどして、高速道路で駐停車する車両の義務を果たしていない場合です。正当な理由のない駐停車とは、意味のなく故意に駐停車していた場合です。

この加算要素に該当する場合には、駐停車中の車両の事故の過失割合が5%~20%増大します。ですから、最終的に定まるこのタイプの事故の過失割合は、駐停車中の車両0%~20%後続車両100%~80%となります。

高速道路にて先行者の急ブレーキが原因の事故について

高速道路で、先行車が急ブレーキをかけ、後続する車両に追突される事故の過失割合

高速道路で先行車が急ブレーキを踏んだ場合、後続車両が回避しきれずによく追突事故が起こります。このような追突事故の過失割合について考えてみます。

このタイプの事故には、事故車両の種類と状態に応じて、3つの類型があります。それは、第1が、先行車で急ブレーキをかけたのが車で、後続車が車の事故の場合、第2が、先行車で急ブレーキをかけたのがバイクで、後続車が車の場合、第3が、先行者で急ブレーキをかけたのが車で、後続車がバイクの場合です。

まず第1の場合、すなわち、先行車で急ブレーキをかけたのが車で、後続で追突した車両の事故の場合の過失割合は、先行車50%後続車50%です。一般道での同様の事故に比べて、後続車の自己の過失割合が高いのが特徴です。

次に、第2の場合、すなわち、先行車で急ブレーキをかけたのがバイクで、後続で追突した車両が車の事故の場合の過失割合は、先行車30%後続車70%です。同様の状況で先行車が車の場合より、後続の車の過失割合が高いのが特徴です。

最後は、第3の場合、すなわち、先行車で急ブレーキをかけたのが車で、後続の追突した車両がバイクの場合の事故の過失割合は、先行車70%後続バイク30%となります。

先行車が理由があって急ブレーキをかけた場合について

なお、第1から第3のいずれの場合も、先行車が理由なく急ブレーキをかけて事故が発生した場合の過失割合です。先行車が、たとえば、事故を回避するためにやむを得ず急ブレーキをかけ、後続車両に追突された場合には、当然、先行車の過失割合が減じられます。

高速道路での進路変更における自動車事故の過失割合

高速道路でも、進路変更による事故の過失割合について

高速道路では、進路変更のタイミングを誤り、隣りの車線に入った瞬間、後方から直進してくる車両に追突されるという事故が多発します。また、お互いに、高速走行をしていますから、万が一、事故になった場合には、重大事故に直結します。

さて、このような、高速道路上での、進路変更における事故の過失割合についてですが、このタイプの事故は、事故を起こした車両の種類と状況に応じて、大きく分けて2類型の基本過失割合があります。

走行車線への進路変更による事故の過失割合について

まず、第1の類型は、追越車線から走行車線へ、または、片側3車線以上の道路で、走行車線から走行車線への進路変更の際に事故が起きた場合の過失割合についてです。なお、この類型の過失割合は、さらに、細かく分けて次の①~③までの3類型があります。

まず、①は、直進する車と、進路変更をして隣接車線に進入した車との事故の場合です。この事故の過失割合は、直進車30%進路変更車70%です。進路変更車の過失割合の高さが目立ちます。

次の②は、直進するバイクと、進路変更して隣接車線に進入した車との事故の場合です。この事故の過失割合は、直進バイク20%進路変更車80%です。ここでも、進路変更車の過失割合の高さが目立ちます。

最後の③は、直進する車と、進路変更して隣接車線に進入したバイクとの事故の場合です。

この事故の過失割合は、直進車40%進路変更バイク60%です。車が進路変更する場合に比べて、バイクの過失割合が低く設定されています。

追越車線への進路変更による事故の過失割合について

次の、第2の類型は、走行車線から追越車線への進路変更の際に、事故が起きた場合の過失割合についてです。なお、この類型の過失割合は、第1の場合と同様に、さらに、細かく分けて、次の①~③までの3類型があります。

まず、①は、直進する車と、進路変更をして隣接車線に進入した車との事故の場合です。この事故の過失割合は、直進車20%進路変更車80%です。第1の場合よりも、進路変更車の過失割合の高さが目立ちます。

次の②は、直進するバイクと、進路変更して隣接車線に進入した車との事故の場合です。この事故の過失割合は、直進バイク10%進路変更車90%です。ここでも、第1の場合よりも、進路変更車の過失割合の高さより高くなります。

最後の③は、直進する車と、進路変更して隣接車線に進入したバイクとの事故の場合です。

この事故の過失割合は、直進車40%進路変更バイク60%です。車が進路変更する場合に比べて、バイクの過失割合が低く設定されています。

修正要素について

なお、第1の場合、第2の場合とも、進路変更した車両が、合図をしないで、事故を起こす場合があります。この場合には、当然に、進路変更車両の事故の過失割合が高くなります。高くなる割合はだいたい10%程度です。

また、同様に、進路変更をした車両が、隣接車線を直進する車両の直前にムリな割り込み(進路変更)をして、事故が発生した場合も、進路変更をした車両の過失割合が引き上げられます。この引き上げられる割合も、だいたい10%程度です。

とにかく、高速道路での進路変更は、一般道路での進路変更よりもはるかに危険です。十分に余裕を持って行い、絶対に事故を起こさないようにしなくてはなりません。

高速道路上の駐停車中の車両への事故の過失割合

高速道路で、停車中の車両に後続車が追突するという事故はよく起こります。このような事故についても、事故車両の種類と状況に応じて、各類型ごとに基本となる過失割合が定められています。

このタイプの事故の類型は3種類あります。それは、第1、駐停車車両が車で、直進して追突した車両が車の場合、第2、駐停車車両がバイクで、直進して追突した車両が車の場合、第3が、駐停車車両が車で、直進して追突した車両がバイクの場合です。

まず、第1の場合の事故、すなわち、高速道路上に駐停車中の車があり、後方から直進してきた車が、追突する事故の場合の過失割合は、駐停車中の車40%直進車60%です。

第2の場合、すなわち、高速道路上に駐停車中のバイクがあり、後方から直進してきた車が、追突する事故の場合の過失割合は、駐停車中のバイク30%直進車70%です。

第3の場合、すなわち、高速道路上に駐停車中の車があり、後方から直進してきたバイクが、追突する事故の場合の過失割合は、駐停車中車50%直進車50%となります。

なお、ここまで述べてきた過失割合は、駐停車車両が、ガス欠やエンジントラブルなどが原因で駐停車し、また、路肩へ対比することで事故の回避が可能であったにもかかわらず、事故が発生した場合を想定しています。

駐停車中の車両が追突事故に巻き込まれていた場合などの過失割合

一方で、第1から第3までのいずれの場合にも、駐停車車両が追突された車両などで、駐停車車両に過失がない場合で、路肩への待避が不可能または後続車への警告が不可能などの一定の条件を満たす場合には、駐停車車両の過失割合は0%になります。

高速道路上の合流地点における自動車事故の過失割合

高速道路上の合流地点での事故の過失割合について

高速道路上の合流地点での自動車事故の過失割合について考えてみます。高速道路の合流地点、すなわち、進入路付近は、十分な余裕を持って走行車線に進入しないと、高速で走行する走行車線の車に接触してしまいます。

このタイプの事故には、事故車両の種類と状況に応じ3類型の基本過失割合があります。それは第1、走行車線を直進する車と、走行車線に進入する車との事故の場合、第2、走行車線を直進するバイクと、走行車線に進入する車との事故の場合、第3、走行車線を直進する車と、走行車線に進入するバイクとの事故の場合です。

まず、第1の場合、すなわち、走行車線を直進する車に、進入路から走行車線に進入してきた車が衝突する事故の場合です。この事故の過失割合は、直進車30%進入車70%です。

第2の場合、すなわち、走行車線を直進するバイクと、進入路から走行車線に進入する車が衝突する事故の場合です。この事故の過失割合は、直進バイク20%進入車80%です。

第3の場合、すなわち、走行車線を直進する車と、進入路から走行車線に進入するバイクが衝突する事故の場合です。この事故の過失割合は、直進車40%進入バイク60%です。

なお、いずれの場合も、進入路の終端付近での事故の場合には、直進車側の過失割合が10%程度加算されます。進入路の終端付近では、多少のムリがある進入も、やむを得ないと判断されるためです。

高速道路での過失割合の算定の特徴

高速道路では、走行車線を直進する車よりも、進入路から進入して事故を起こした車両の方が、高い過失割合の負担を求められることになります。このことは、高速道路では、特に後続車への安全に対する配慮が求められます。

ですから、急ブレーキや進入路からのムリな進入など、先行車の後続車への安全配慮を欠く行為により、事故が発生した場合、先行者の過失割合が重いと判断されます。

とにかく、高速道路の進入の際には、進入時に、後続の車両に対して十分な車間距離が維持できるように、十分に余裕をもった走行車線への侵入を心がけなくてはなりません。

高速道路上での事故の過失割合

高速道路上での事故の過失割合の特色について

高速道路上での事故の過失割合について考えてみます。高速道路の特徴としては、制限速度が高い、歩行者の横断がない、信号がない、道路の整備状況がよい、交差点がない、などの特色があります。

したがって、高速道路上の事故については、一般道路上の事故とは異なり、事故の類型や基本となる事故の過失割合について、異なる基準が適用されることになります。

まず、高速道路では、車のスムーズな流れを確保することが非常に重要視されます。したがって、車の流れを阻害するような行為をして事故を起こした場合には、一般道で同様の事故を起こした場合よりも、より重い過失割合の負担を求められます。

高速道路で、先行車の急ブレーキによる事故の過失割合

たとえば、高速道路で、先行車が急ブレーキをかけたために、後続車に追突されたという事故の過失割合を考えてみます。この類型の高速道路上での事故の場合、一般道での事故に比べて、バイクで20%、車で30%、高速道路上での事故の場合の先行車の過失割合が高くなります。

高速道路は制限速度が高いため、先行車が急ブレーキをかけると、後続車が避けきれずに追突する可能性が非常に高まります。しかも、高速走行ですから、重大事故に直結する非常に危険な行為に該当します。このような理由により、高速道路での先行車の急ブレーキによる事故の過失割合に対する基準が、厳しくなるわけです。

高速道路で、停車中の車と、走行中の車の事故の過失割合

また、高速道路では、車は止まってはならないという規則があります。ですから、一般道では、停車中の車と衝突した場合、原則として、衝突した方の車が100%の過失割合を負担しますが、高速道路では、停車している方にも車も過失があると判断されるため、衝突した方の過失割合が70%程度に軽減します。

高速道路で、歩行者をはねた場合の過失割合

同様に、歩行者をはねた場合も、原則として歩行者の歩行が禁止されている高速道路上での事故と、一般道路上での事故では、過失割合の考え方が異なります。同じ事故類型であれば、高速道路上での事故の方が、車の過失割合は低くなります。高速道路上で歩行者をはねた場合、過失割合は、原則として歩行者80%車20%です。